Column開発秘話
味噌キャラメルの歴史
八丁味噌との出会い
当時、各地の特産品(果汁など)を配合したキャラメルのOEM依頼が多くありましたが、名古屋の土産物として独自に商品開発をしたいと考えていました。そんな中、開発担当者がスーパーマーケットで購入した味噌を使い、最初のサンプルを作成して持ってきましたが、試食すると非常に風味が強く、改良の必要を感じました。
何度か試作を重ねるうちに少しずつ食べやすくなってきたものの、名古屋を代表する味噌を使いたいと考え、名古屋で有名な味噌を探すことにしました。当時はまだインターネットが普及していなかったため、電話帳で調べたところ、名古屋ではなく岡崎にある「合資会社 八丁味噌(カクキュー)」が見つかりました。同社は江戸時代から伝統的な製法で八丁味噌を作り続ける、370年以上の歴史を持つ老舗です。早速連絡を取ると、「菓子に味噌を使う発想は珍しい」と興味を示していただき、八丁味噌を提供していただけることになりました。また、「カクキュー」のロゴとデザインも無償で使用許可をいただき、デザインを進めることができました。こうして、「八丁味噌」を使った愛知の名産としてのキャラメルが誕生しました。
八丁味噌にはさまざまな種類がありましたが、料亭向けのものが特に美味しかったため、これを使用することに決めました。
コラボ商品の先駆け
試作を重ねるうちに味も良くなってきましたが、どこか単調な風味が残っていました。そんな時、仕入業者がごまの専門店を紹介してくれました。酸化しにくい皮なしのごまを加えると、味に深みが生まれ、美味しさが一段と増しました。この「味噌キャラメル」は、他社とのコラボレーション商品の第一歩であり、当時としては珍しい試みでした。
「合資会社 八丁味噌(カクキュー)」様からも自社での販売を希望されたため、当社はスーパールートでの販売を担当し、カクキュー様側は自社売店や関連販売先で販売する形を取りました。小売価格は300円に設定し、スーパーマーケットでは少し値引きされた価格で販売されましたが、半数が返品となる結果に。しかし、カクキュー様の販売ルートでは価格を保ったまま順調に売り上げを伸ばしていました。
名実ともに愛知の名物土産に
ある時、カクキュー様から近隣のスーパーマーケットでの販売方法についてご相談があり、これを契機に、当社はスーパールートおよび愛知県以外での販売を中止し、愛知の名産として、値引きを行わずに販売していただける得意先にのみ限定して販売する方針に切り替えました。その後、テレビや雑誌でも取り上げられ、少しずつ販売量が増加していきました。
数年後、カクキュー様から原材料の見直し要望を受け、よりわかりやすい原材料を使用してリニューアルを行い、現在に至ります。この商品が売れ始めると、多くの業者から当社に味噌の売り込みがありました。
また、親戚の勧めで「ねのひ」の吟醸酒を使ったキャラメルも開発しましたが、アルコール分が製造中に飛んでしまうため、香りのみを残す形になりました。高速道路の売店では「飲酒運転につながる」との懸念で販売中止となり、結果的に製造中止となりました。
以上が、味噌キャラメルの誕生から今日に至るまでの歴史です。